コラム 「SkyTouringと掛けて」

スカイツーリング

 

8月某日、お盆休みに入る前日、仕事を早めに切り上げて、羽田へ向かう。午後8時過ぎに埼玉県北部の自宅を出発して、最寄のICから関越自動車道に入る。北海道へのツーリングなのに都心へ向けて走るのは、なんとなく違和感がある。

関越ー外環ー首都高ー湾岸と走って、羽田に着いたの午後10時。今宵は空港内のホテルに一泊して明朝のフライトでバイクごと稚内入りする予定。

空港内パーキングにオートバイを駐車する。駐輪スペースは料金ゲート・守衛室に近く、駐車中にオートバイをいたずらされる心配はなさそだが、念のためチェーンロックを守衛室で貸し出してもらい施錠。

荷物とヘルメットを抱え、空港ターミナルのホテルへ向かう。灯かりの消えかかった出発ロビーを抜けた先にホテルのエントランスがあるのだが、こんな場所をヘルメットとツーリングザックを抱えて歩いてゆくのは、なんとも場違いで気恥ずかしい。

「スカイツーリングなんて、やっぱ失敗だったかなあ」などとボヤきながらも、何とかホテルの部屋に到着。閉店間際のホテルのバーで軽い食事を終えて、おやすみなさい。

 

富士山

 

翌朝、目覚めると快晴。ホテルの窓からは富士山が見渡せた。フライトは午前11時発なので、その2時間前、午前9時を目安に、西貨物地区のANA貨物受付まで赴かねばならない。


「なんとなく、ツーリングって気分じゃないなあ・・」
ホテルのレストランで朝食をとりながら、そう思った。まあ、まだ東京に居る訳だし、ひとたび稚内に着いてしまえば、いつもの最果て気分に浸れるのかも知れない。

中標津にて

 

稚内空港を出て、まず真っ先に宗谷に向かった。あいにくの曇天ではあるが、左手に宗谷湾を見渡しながら走る。


まごう事なく、そこに広がるのは、いつも僕を夏へと差し招く、最果ての風景なのだが、なんていうか、どうもいつもと感じが違う。宗谷岬にたどり着いても、あまりにも安易すぎて、何の感慨もわかない。


「やっぱ、こりゃダメだわ」
手に入れがたいものは、手に入れがたいが故に尊く、遙かなるものは、遙かなるが故に焦がれる。肝要なのは、「そこ」に至ることではなく、そこを目指して、日々をどう紡ぐか、といったことなのだろう。

スカイツーリングとかけて、彼女といくビーチリゾートととく。そのココロは・・・・?。
バカンスと言えば最高のバカンス。だが「旅」としては、少々ココロモトない。
お粗末・・・・・。

 

スカイツーリング

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スカイツーリングで北海道へ行ってみた

 

予約

200X年夏、7月も半ばになって、ようやくお盆休みの調整がついた。今年はどうやら4日間しか休暇が取れそうにない。
その時点で今年夏の北海道行きは断念しかかったのだが、ふと思いついたのが「全日空スカイツーリング」。
WEBで全日空のパンフを覗くと、”稚内空港入・中標津空港出”などという素敵なプランも可能。
早速電話で確認すると、出発予定日1ケ月前にもかかわらず、カーゴも旅客もフライトに空きがあるとのこと。
こうなれば「渡りに船」とばかり、プランに含まれるホテル(一泊分)は後日決定後の連絡として、早速予約を入れた。
電話の後に、車種・車両の寸法等を記載した申込書をFAXして、 先方で「積載可能」との判断が得られて予約確定する(車種別の積載実績等はANAのサイト・パンフレットであらかじめ確認できる)。

LINK

ANAスカイツーリング(2009年は新千歳もしくは函館空港発着のみとなってしまったようです)
2007年度パンフレット(PDF) -- この頃は、稚内空港・中標津空港なども選択できました --
*毎年状況が変わりますので、利用の際は、KeyWord "スカイツーリング"でWEB検索してください。

当日その1 GS

当日はまずフライト2時間30分前を目安にビッグバード(羽田空港)内のガソリンスタンドへ赴き、タンク内のガソリンを抜く。
貨物地区までたどり着くだけのガソリンはしっかり残してくれ、ここで貨物地区への道順を説明してくれる (当然だが、ガソリンは破棄される)。

羽田のスタンドでガソリンを抜く

 

羽田空港マップ

 

当日その2 貨物ターミナル受付へ

 

GSでガソリンを抜き取ったら、そのまま(フライト2時間前までに)、羽田空港西貨物地区にあるANA貨物受付へオートバイとともに出向く。
貨物地区はビッグバードエリア外にある。

羽田空港カーゴエリア

西貨物地区の風景

 

羽田貨物地区

ガソリンスタンドからANA貨物受付へ

 

貨物地区案内

全日空による貨物地区への案内書

 

 


まずは貨物地区へのゲートで身分証明書を提示し、簡単な書類を記載して、入場許可を得る。
「スカイツーリング」と言えば、守衛が心得ていて、適切な指示をしてくれる。
オートバイを預けた後、空港へ行く際には再びこのゲートから徒歩で出場する。
入場時に渡される入場パスは出場の際返納するので、決してバイクと一緒に送ってしまわないこと!。
ゲートをくぐったら右手正面(赤矢印)のANAカウンターへ赴き、荷物(オートバイ)発送のための書類を作成する。
ついで、係員の指示に従い、ゲートから見て左手奥の貨物受渡し場へとオートバイを走らせる。

 

羽田空港カーゴエリア

貨物(オートバイ)受渡場

 

貨物受渡場では、係員の指示に従い、バッテリーの(+)ターミナルを外すので、あらかじめ工具を簡単に出せるようにしておく。
車両に固定される荷物(ロープ・ネットで固定のバックを含む)はバイクにつんだまま空輸が可能。タンクバックもバイクにつんだままでOK。
ヘルメットはむき出しでは不可なので、バイクに積載するときはバック内に収納する。
バイクの破損状況・傷を係員がチェックして、書類にサインをすれば引渡し完了。
間違ってフライトチケットや財布などをバイクと一緒に送ってしまわないよう、あらかじめ手荷物を区別をしておくことが望ましい。

 

バイクはこんな感じで運ばれてくる

バイクはこのようにコンテナ内に固定収納される。

 

当日その3 旅客ターミナルへ

バイク引渡し後は、徒歩でゲートから出場し(出場時にゲートで入場許可証を返納)、案内図(上に画像として引用)に記された西貨物バス停へと向かう。
同じく案内図記載の「空港内循環バス」に乗って、第二旅客ターミナルで下車。
あとは普通の旅客として飛行機に乗るのと同様、チェックイン -> 手荷物検査 -> 搭乗となる。

 

雲の上

あとは暢気にフライト

 

当日その4 稚内到着後

 

稚内空港カーゴエリア

稚内空港

稚内空港到着後は到着ゲート(1F)をでて、空港ビル内を右手に進み、「ANA CARGO」の看板のある貨物受取カウンターへ向かう。 稚内空港ビルはコジンマリとしているので、迷うことはない。
搭乗前に羽田の貨物受付で受け取った書類をカウンターに提出、待つこと10分ほどで、カートに引かれてバイクがやってきた
その後はこんな感じでバイクが荷解きされ、空輸中の車両破損がないことを確認して、書類にサイン。
ここで約5リットル、稚内市内のGSまで走れるだけの(宗谷岬方向に向かってもGSはある)給油を受けて受け取り完了。

 

宗谷岬

あっというまに最北端

 

 

帰路その1 中標津空港

まずは中標津市街の指定GSに立ち寄り、往路同様にガソリンを抜いてもらう。
復路のフライト2時間前までに、中標津空港ビル1Fの貨物カウンターへ向かう。
中標津空港も小さいので、迷うことはない。
自分の時は、空港到着時にはすでに係員が待ち受けていて手招きしてくれた。
羽田で書いたのと同様の書類を作成、バッテリーターミナルを外し、車両破損の確認をその場で済ませ、引渡し完了。

バイク積載

オートバイの積載風景

帰路その2 羽田空港

羽田空港到着後は、第二旅客ターミナル前から「空港内循環バス」に乗り、貨物地区へ向かう。
往路同様の手続きを済ませてゲートをくぐり、貨物受渡し場(往路バイクを渡した場所)へ向かう。
書類にサインし、車両引取り後は、往路にガソリンを抜いてもらった、ビッグバードP1近くのGSへ向かう。
(必ずここで給油しないとガス欠になるので注意!)
給油完了をもって、スカイツーリングは終了。
あとは帰宅するのみ。